2<e<3の証明(eはネイピア数)
※スマホでうまく表示されるかが不明なのでpcでの閲覧をお勧めします.
前回ネイピア数が無理数であることを証明した時にはが成立していることを前提にしましたが,今回はこの事実を証明します.最初に簡潔な証明を載せるので,理解できない部分は後述の詳しい証明で確認してください.
[証明(簡潔Ver.)]
(1)を示す
eのマクローリン展開から,である.
(2)を示す.
をみたす任意の整数nで,が成り立つことが数学的帰納法から示されるため,
であるから,である.
(1)(2)まとめて,が示された.
[証明(長いVer.)]
のマクローリン展開より,
である.
(1)を示す
こっちは簡単です(というか上のマクローリン展開から明らかに成り立ちますが).
一応証明すると,のマクローリン級数は,各項が正の正項級数であるから,
この級数は2より小さくなることはない(もっと強い意味では2.5よりも大きいということもわかる).
つまりである.
ゆえに.
(2)を示す.
この式を,の向きの不等式を使って,何らかの定数でおさえることを考える.
がもしも成り立つならば,この不等式の最後(の式)は,
と考えられるので,eが3より小さいことを示すことができる.この不等式は,つまり()が成り立つことが前提となっているため,これを証明する.今回は分数が入っていないの方を数学的帰納法により証明する(二つの式はの下で同値であるからどちらを証明してもよい).
のとき明らかに成立.
()のときに成立すると仮定してのとき,
ここでより,なので,
となるため,結局が示された.
ゆえにをみたす任意の整数で,が成り立つ.ゆえに,
の不等式も成り立つことが示される.よって,
となり,が示された.
(1)(2)まとめて,が示された.
はてなブログのTex記法があまりわからなくて,雑な数式の表示になってしまって申し訳ないです.次回からはTexの画像を張り付けることも考えます.